2013年5月20日

オーストラリア現地高校留学体験談

最終更新日:

日本人高校留学生が少ないパース。
そのため、高校留学をしている方の生の声がなかなか届かないのが現状です。
そんなパースの高校留学を体験した稲泉寛子さんにお話を伺いました!

どうしてパースで高校留学?


父の仕事の都合で中国シンセンのインターナショナルスクールに通っていたのですが、家族旅行でオースに来た時、香港から、パース経由でエアーズロックに行きました。
その時、パースで乗り継ぎのために10時間の時間があって、カバシャムワイルドライフパークにタクシーで行きました。そのタクシードライバーが観光のアドバイスをくれたりして、とてもフレンドリーで、そしてタクシーからの景色もきれいで暮らしやすそうな町並みだったことが印象的でした。

父から英語の上達のためにもオーストラリアで高校留学をしたらどうかと言われた時、メルボルンやシドニーも行ったことがあったが、パースが一番に頭に浮かびました。自分は田舎育ちだから、都会よりは自然がたくさんあって人も優しい都市が向いていると思ったのもパースを選んだ理由の一つです。




モーリー高校での最初の1ヶ月


英語が大変で、リスニングやスピーキングのレベルが足りていなくて難しかったけれど、クラスメートや先生が大丈夫かといつも心配して聞いてくれたので、とても嬉しかったです。一人でいたら、誰でも「一緒にご飯食べない?」と気軽に声をかけてくれるので友達ができやすい環境でした。

勉強面では、特にHuman Biologyと数学と英語の先生が、授業中不安そうだと大丈夫かと皆に聞いて、小さな質問でも熱心に答えてくれる授業だったので、英語の授業でもついていけたと思います。



Year11(高校2年生)


授業は、英語、数学、Human Biology、Applied Information Technology、Art、Geographyを選択していました。1週間に1回だけ、全員が受けないといけないCareer enterpriseを受けていました。
Career enterpriseは、これも面白い授業でしたが、自分のいいところを見つけて、仕事を見つける時に役立つスキルを磨くクラスでした。
数学が一番難しくて、大変でしたが、変な質問をしても先生がとても親切に教えてくれたので、なんとか乗り越えられました。



Year12(高校3年生)


英語、数学、Human Biology、Applied Information Technology、Child care、Health Studies、English as a second Languageを選択していました。将来、大学の看護学部に進学したかったので、Health Studiesをやっておいた方が役に立つと思い選択しました。自分の健康だけではなく、飲酒運転の講座や、先進国、オーストラリア、アフリカでの病気や健康の基準を比べてみたり、人の健康には何が必要か、健康維持には何が役に立つかも学び、やっておいてよかったと思います。

毎週火曜日と木曜日には、ESLの先生が英語に不安がある人や、レベルを上げたい人向けに、放課後、英語のレッスンを開いてくれました。先生方はいつも私のことを気にかけてくれ、本当に感謝しています。

高校の一番の思い出は、卒業式でドレスアップをしたことです。ハイアットホテルで卒業証書を一人ひとり渡されて、名前を呼ぶときにステージに上がるのですが、この人はこういう人だと一言つけくわえて頑張ってねと激励してくれて、嬉しかったです。こんなところも、ただ名前を呼ばれて卒業証書を渡す日本の卒業式と違うなあと思いました。
Child careではクラスでトップになって表彰されました。ホストファミリーに、「卒業以外にも、一つ達成できたものがあってよかったね」と言われ、両親がオーストラリアに送り出してくれ、高校留学したことに意味があったなあと思い、ほっとしました。



モーリー高校を卒業してよかった


日本だと、先生が話すことをノートにとって、テストを受けるだけの繰り返しだけど、ここでは自分の意見を大切にしてくれると感じました。
意見を言うことを学んで、発言した自分の意見を尊重してくれて、他の人の意見も尊重して、自分の意見に取り入れて、ということを学んだ気がします。

また、日本の高校ではなかなか体験できないことの一つとして、色々な国の人と一緒に学べたことも大きいです。
イラクのバグダッド出身の人と友達になったのですが、その人と話をして、日本人は守られていて、温室育ちのようで、自分はこれまで世界のことを全然知らなかったと痛感しました。
英語のクラスでは、ディスカッションを通してスピーキングの向上に力を入れているのですが、世界情勢や国際問題のトピックもあり、自分の経験を踏まえてその問題をどうしたらいいのか考えたり、ナチスについて学び政治と政府はどうあるべきかディスカッションをしたり、小論文を書いたりしながら、意見交換ができたこともよい経験でした。
日本に帰国すると、親戚からも「自分の考えをしっかり持っていて、留学してから成長したね」と言われます。

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将来


大学の看護コースに入学、卒業した後は、赤十字や国境無き医師団のような後進国の医療に貢献するのが私の長年の夢で、その為に英語をもっと学びたいと思い、今は英語学校でIELTS6.0取得を目指して勉強中、その後は大学進学を希望しています。
高校留学を通して色々な体験ができ、自分でも成長できたことにとても大きな喜びを感じています。
パースに来て本当によかったと思います。

Untitled

(こちらはオーストラリア首相、ジュリア・ギラードさんが2013年3月に稲泉さんが留学している高校を訪問した際の写真です)