【体験談】趣味の写真を「ライフワーク」に。TAFEで磨く技術と表現、国際コンペ受賞の快挙

Soma Konishiさん 2026年2月19日

「このまま一生ここで働くのか?」という疑問を抱いたSomaさんが、直感を信じて選んだのはメルボルンでの挑戦でした。ワーキングホリデーで過ごすうちに、帰国前にさらに英語力を身につけ、スキルを磨きたいと考えるようになり…



ずっと好きで趣味だった写真を、現地の州立専門学校、TAFEで基礎からしっかり学びました。
英語の壁にぶつかりながらも国際的なコンテストで入賞を果たすまでに成長した、Somaさんの情熱溢れる2年間の軌跡をご紹介します!


人生は一度きり。20代で新たな挑戦

渡航しようと思ったのは、コロナが世界に蔓延し世の中が一変してしまったこと、また母が亡くなってしまい、人生いつどんなことがあるか分からないと思ったことが大きかったです。

その時自分は25歳だったのですが、3年間働く中で、社会人としての楽しいところ、きついところも経験することができました。ただ、”ここで一生働くか?”と自分に問いを立てると疑問にも思いました。

20代のうちに新しい経験がしたい、今が一番若いと思い、勤めていた会社を辞めました。

オーストラリアへの渡航は直感

世界共通語である英語環境に身を置きたいと思っていたのですが、どの国に行くかは迷っていました。

イギリス、カナダ、ニュージーランド、アイルランド…色々と考えていましたがビザ取得のハードルや国経済状況なども考慮して、オーストラリアに決めました。

正直オーストラリアの都市はシドニーとキャンベラくらいしか知らなかったのですが、調べているうちにメルボルンという都市を知りました。綺麗で、コーヒー文化が溢れる街。

”コーヒー好きだなぁ” という直感に従い、メルボルンへのワーホリに向けて渡航準備を始めました。

初めての海外生活@メルボルン

語学学校への通学からスタートしました。選んだのはインパクトイングリッシュカレッジ。入学当初の英語力は初級でした。12週間通学して卒業時には初中級レベルでした。




ホームステイは3ヶ月の予定だったのですが、マザーであるおばあちゃんがとても良い人で、その後さらに3ヶ月延長して合計半年間お世話になりました。



それと同時に仕事も開始しました。 実はメルボルンには日本文化を発信している場所がたくさんあるんです!そんな場所を日豪プレスで見つけて、業務英語をしっかり覚えて働き始めました。日本に興味のあるオーストラリア人がたくさん来るので面白い環境でした。

メルボルンでのシェアハウスライフ

スキルを身につけてから帰国したい

海外生活は1年のみの予定でしたが、メルボルンで過ごしていくうちに、よりしっかり英語力を身につけ、スキルを磨いてから帰国したいと考えるようになりました。

大好きな写真について深く学びたいということは心に決めていたので、オーストラリアでの進学相談を行っているオーストラリア留学センターに問い合わせをしました。

メルボルンオフィスの大橋さんは、メルボルン、ブリスベン、パースそれぞれのTAFEのコース詳細を教えてくれました。

その中で比較をして、1年という限られた時間の中でもなるべく高い学位を取得したいという思いから、Diplomaから直接スタートできるTAFE Queensland(ブリスベン)に進学することを決めました。


再びインパクトで英語力をブラッシュアップ!

TAFE進学には英語力が必要だったので、1年間のワーキングホリデービザ終了時に学生ビザに切り替え、再び語学学校からスタートしました。



インパクトはTAFE Queenslandのあるブリスベンにも校舎があり、メルボルンからブリスベンに引っ越すこともこの時に決めました。TAFE入学前にブリスベンの環境に慣れるためにも良い選択だったと思います。



インパクトに再入学したときはIELTS5相当でしたが、無事入学基準のスコア6も在学中に取得でき安心しました。

TAFE入学に向けての準備

クリエイティブ系コースでは出願書類にポートフォリオ(作品提出)が必要ですが、どうやって準備しましたか?


内容は決まっていて、合計7-11作品の提出が必要でした。その中には

・ポートレイト(友人に頼んで撮影させてもらいました。)

・風景(メルボルンの街並みを撮影しました。)

・静物(家にあった食器やフルーツを撮影しました。)

・フィルムカメラで撮影した作品(街並みを撮影しました。)

・商業写真(商品写真、友人のバーテンダーが作ったお酒を撮影させていただきました。)

などがありました。これらをPDFとしてまとめて提出しました。

どんなカメラを使ってるの?

写真は高校生の頃から始め、社会人になってからもずっと続けていました。

高校の頃はペンタックスのキュー(デジカメ)からスタートして、大学生の時に一眼レフ(大学の時)での撮影を始めました。

現在は、社会人になってお金をためてから買った一眼ミラーレスカメラ、Canon EOS Rを使用しています。オーストラリア生活でもずっと使用していて相棒のような存在です。

一番大きいカメラがCanon EOS R、中くらいのカメラがCanon AE-1フィルムカメラ、一番小さいものがRICOH GR

TAFEでの授業が開始!

授業の構成は実技7割:講義3割くらいの割合で、講義では基礎的なカメラの使い方からフォトショップをはじめとするソフトの使い方、またフリーランスを目指す写真ビジネスについて勉強をしました。

週3日対面授業と、1日自主学習の日があり、その日は課題をする時間、スタジオ撮影に当てていました。



撮影は日々行っていましたが、商業用の写真や、スタジオを使用してライトニングとかはやったことが全くなかったので新鮮でした!光によって全然写真の印象って変わるんです。スマホでは絶対に撮れない写真が撮れます。


実技の授業を深掘り!

授業にはフィルムカメラと一眼レフが必要です。 カメラの基礎設定から学び、街中で撮影した作品を提出したり、スタジオでポートレイトの撮影をします。

フィルムカメラについては半年かけて学びました。



フィルムカメラの試し刷り


フィルムカメラで撮影した作品


クラスで行われる作品のレビュー

ただ単に撮影をするだけではなく、例えばポートレイトであれば自分でしっかりモデルを探すところから始まります。

自分がモデルさんにしてもらいたい姿勢など伝えていくのはもちろん全て英語になるので、(45度斜めを向いてください、などふとした言葉)クラスメイトがどんな風にモデルとコミュニケーションをとっているのかもよく耳を傾けていました。



スタジオ撮影では、太陽光と全く違う環境での撮影になります。

完全にコントロールされた光で撮影することでカメラ自体の更なるポテンシャルを感じました。



撮影後はフォトショップを使って編集もしていきます。今まで軽い編集ソフトを使ったことはあったけれど、フォトショップを使ったのは初めてでした。




実践的な内容!

学んでいく中で、TAFEの他コースから撮影の依頼があったりします。

例えばファッションのコースの学生さんが制作した服を着ているモデルさんの撮影もしました。ジュエリーを制作されている学生さんの作品撮影もあります。

私は参加できなかったのですが、ブリスベンで行われるファッションショーの撮影を依頼されることもあります。

フォトショップを使った合成テクニックも駆使して作品作りをしたり…撮影内容は多岐に渡りました。

はじめに計画を立てて、予算を決め、日程表を作成し、実際に商品写真を撮影、SNSに投稿、クライアントへの納品という一連の流れも学びます。

模擬的ではありますが、契約書や請求書も作成します。 また、写真だけではなく、動画コンテンツも強い世の中なので、授業には自分や撮影した商品をプロモーションする動画や、リールの作成なども組み込まれていました。

講義で学んだこと

TAFE特有なのかなって思ったのですが、ビジネスとして写真をどう使っていくかも実践的に学びました。

特にフリーランスとして活躍していくにあたってのステップや、税金の制度、Tax Invoiceを作成する方法なども学びました。

課題の中で「ビジネスブック」というものがあったのですが、写真ビジネスをどのように進めていくのかを1冊にまとめるものでした。これは銀行に提出して融資をしてもらえる高いレベルを求められました。

一緒に学ぶ先生・クラスメイトはどんな人でしたか?


クラスメイト:

高校上がりの17歳の学生さんから65歳の学生まで年齢層もバックグラウンドも幅広いと感じました。

遠慮なく言うと、めちゃくちゃ写真へのパッションがある人もいるし、そうでない人もいました。いろんな作品、いろんな視点に触れられるのもオーストラリアならではだと思いました。

21名のクラスだったのですが、留学生は自分だけだったのでがっつり英語環境に飛び込むことができました。クラスサイズは入学タイミングによって大きく変わるようですが、私の場合は少なすぎず多すぎずちょうどいいなと思いました。


先生たち:

1年間で4名の先生に習いました。単元ごとに先生が変わります。

P先生:先生の中のリーダーとして一番お世話になった先生でした。イギリス出身とおっしゃっていたかともいます。フォトグラファーとして活躍されたとのことでした。今はドローン撮影なども勉強されていて常に新しい情報を提供してくれる先生です。

M先生:ビジネスのクラスを担当されていた先生で、ご自身もフリーランスとして活動していたようです。習う内容はもちろんオーストラリアの税制となりますが、日本と同じ点も多数あり、勉強になりました。また、最後の卒業制作で必要だったステートメントの作成にも親身に相談に乗ってくれました。

L先生:前半で勉強したフィルム写真の講座と卒業制作のクラスを担当されていた先生で、ご自分で写真集の出版もしてる先生でした。常に率直な意見をいただけるので、自分自身の作品クオリティの向上に貢献いただけました。

A先生:主に商業写真(商品撮影などの物撮り)を担当されている先生です。SNS運用もされていて、フォトグラファーとして実践的な観点から指導いただきました。また、これからの時代に必要不可欠なAIなどをどのように活用しているかも教えていただきました。

後期は写真コンテストへ作品提出

後期が始まると、ニュージーランドの国際写真コンテストに作品を提出する想定で授業を行いました。

コンペティション用の写真を撮影するのも初めての経験でした。

写真の撮影から編集時のデータの取り扱い、紙の選択から印刷、作品提出まで全てを行います。

自分はセメスターブレイクの時に一時帰国をしたので、その際に桜をモチーフに撮影しました。



紙質も全てこだわります

コンペティションには様々なカテゴリーがあり、なぜそのカテゴリーに応募したいのかの説明も必要です。最終的な作品はクラス全体で批評会を行いフィードバックをもらいました。

印刷工程も奥が深い

良い写真を撮ったら終わりではなく、モノクロにするか、カラーにするか、印刷する紙もこだわって選びます。

印刷にあたりローカルのプリント専門店への問い合わせも自分でします。本当にこの色が出るか確認作業があったり…。

課題を通して、作品作りにはこういうプロセスがあるんだ、ということがしっかり実践を通して見えました。

人生初の写真コンペティションに応募!

在学中人生で初めて写真コンテストに出品し、入賞するという経験もできました。

Australian Photographic Prizeというコンペティションの風景部門(Landscape)と建築部門(Architecture)のカテゴリで出品しました。もちろん専門家が審査をします。

このコンペティションは、前期の授業で業界で活躍するフォトグラファーが話をしてくれるセッションがあって、その時に知り挑戦することにしました。

風景部門にはドライブをした時にサンシャインコーストのグラスハウスマウンテンを撮影した作品を提出しました。 建築部門にはシドニーへ旅行した時に撮影した作品を提出しました。




そのほか数作品を提出したのですが、上記の2作品で入賞をすることができました。

卒業制作でも入賞!

卒業制作はエキシビション(展示会)での作品展示を目標として製作していきます。

取り組める内容は限定されません(もちろん写真を軸として)。 唯一、Illustrative(抽象的でなく、何かを訴える)である必要がありました。

私はブリスベンリバーを題材として合計800枚以上の作品を撮影した後、最終的に70枚程度で構成された写真集とそれを代表する3枚のプリントを作成しました。


ブリスベンリバーと花火の写真。フォトショップ使用


エキシビジョンへ向けの作品作りも初めての体験でした。

クラスメイトたちはポートレートの作品やフォトショップを多用した作品を製作する一方で、自分は編集しない、モノクロのシンプルな作品にしました。



現在日本の写真コンテスト、「写真出版.com」に応募中のため全体をお見せできないのですが、とても素敵な写真です。

もちろん、担当講師からアドバイスをいただきつつなので心配することはなかったのですが、意外とそういったシンプルな作品を提出するのは勇気が必要でした。

しかし、最終的には評価をいただきシルバー賞をいただくことができました。



この結果にはとても勇気がもらえました。”やっててよかったんだ、これからもこのシリーズをやっていこう!”と強く思いました。本当に嬉しかったです。

留学中しんどかったこと & 乗り越え方

やはり英語でのコミュニケーションは難しかったです。もちろん文化も違うし、授業ではたくさんの専門用語が飛び出してきます。

授業はパワーポイントなどの助けがあるのでなんとかついていくことができますが、特に生徒同士の会話や、先生がたくさん話してくれるのでそれらについていくのは必死でした。

どうやって乗り越えましたか?


事前にパワポ読み込んで行ったり、分からないことは先生に個別で聞いたり、クラスのチャットに参加して友人に質問もしました。先生もクラスメイトもみんな助けてくれました!

木曜日の自主学習の時間はもらったパワーポイントの内容を再読したり、必要な時は翻訳したりして理解できるように努めました。

留学で自分の中に変化はありましたか?

チャレンジすることの重要性に気づきました。「やらないで後悔よりやって後悔」の方がいいと心から思いました。

TAFE留学では1年かけて写真スキルがしっかり向上したので、本当に挑戦してよかったと思っています。



日本にいたままだったら分からなかった楽しさがあります。もちろん大変さもあるけれど… また、以前の自分と比べると、周りの目を気にしなくなったかなと思います。

これはいいのか悪いのか分かりませんが、授業中でも自分の考えをみんなと積極的に共有する姿勢を教わりました。自分らしくいることができるようになったなと感じます。

写真に対する考え方は留学で変わりましたか?

海外からの視点でみたら写真作品がどう見られるのか(例えば桜の写真とか)、実際海外で直接フィードバックをもらえることは非常に有意義でした。

日本よりも写真がアートであると認知されつつある西洋の文化の中で、写真の中にアートとしての価値をどう見出していくかの視点を知ることができたのは大きいと思います。



また、オーストラリアの公立美術館は基本的に無料で入場できることが多く、そこで写真の展示会を行っていたりするのを目の当たりにすると、より写真、アート、普段の生活それぞれの精神的な近さを感じることができます。

メルボルン・ブリスベン2拠点で生活してみて感じる都市の違い

同じオーストラリアでも気候が全然違います!

涼しいのが好きならメルボルン、暖かい気候が好きならトロピカルなブリスベンがあっていると思います。イベント(全豪オープン、F1などなど)はメルボルンの方が圧倒的に多いです。

交通の便はメルボルンの方が圧倒的に良いと思いましたが、ブリスベンは日本人として馴染みのあるゴールドコーストやケアンズが近いのも嬉しい点です。自然がとっても近いです。

費用面で言えば、自分は家賃、食費には大きな差は感じませんでしたが、交通費は全然違うなと感じます。メルボルンにはMykiパスもあったけれど2時間で5ドルくらいかかります。

その点ブリスベンは片道どこまで行っても50セントです。学生ならほぼ毎日使うことになりますし、チリツモなので留学などで長く過ごすとなると大きな差になります。

今後の進路について

写真は自分の大好きなことなので、これからもライフワークとして続けていきます。

TAFE留学ではさまざまな撮影をし、課題と向き合う中で、自分のスタイルが見えてきました。

例えば自分はスタジオ作品というよりも、ロードトリップや旅行をしながら作品を作っていくのが大好きだ、合っているなということを知りました。

やってもいないのに自分に合わないと決めつけることはしたくなかったので、この1年間様々な写真の分野に触れられたことは大きな経験となりました。

今はオーストラリアで撮影した川の作品の続編も作っていきたいなと考えています。

利益目的の作品と言うより、本当に自分の表現したいことを追求していきたいです。 実はTokyo International Foto Awardsにも出品をして、1作品入賞、1作品ブロンズアワードに入選しました。


ブリスベンリバーとビル群


オペラハウスから虹が!

今は日本の写真出版賞に応募しています。結果は2月下旬です。結果が楽しみです。


小西さんの作品をチェック!


Somaさんはとっても素敵な作品を撮影されているので是非チェックしてみてください。

Somaさんのインスタグラム:@koniso.i

SomaさんのZINE(ジン)販売サイト

実は昨年から勉強したことを活かして3ヶ月に一度ZINEを制作しています!
現在は在庫切れですが…販売サイトです!

スタッフより

Somaさんの作品を見せていただいた時に私は胸がときめきました。
普段何気なくみている景色が、Somaさんの感性と技術によって美しく切り取られていました。

好きなことを突き詰めていく姿勢に私も刺激をもらいました。



ライフワークと思えるものがあるかないかでも人生の充実度は大きく変わると思います。

自由なオーストラリアの教育の中、たくさんの作品を作り上げる中で自分のスタイルがわかったというのも本当に頷けます。

Somaさんの素晴らしい作品がこれからもたくさんの人の目に触れていきますように。これからもずっと素敵な作品を作っていってください。応援しています!!