【体験談】オーストラリアの教育現場を実際に感じる”日本語教師アシスタント”に参加

豊島 英太さん 2023年3月3日

豊島さんは、日本の大学で中学と高校の教員免許(英語の先生)を取得し、卒業後日本で教員になるか迷われていました。

もともと海外に行きたい気持ちもあった為、大学を卒業してから海外の教育現場を実際に見てみたいという想いから、ワーキングホリデービザにて今回このプログラムへの参加を決められました。

2022年4月からまずはディスカバー・イングリッシュにて12週間の一般英語コースを受講し7月から2学期間、日本語教師アシスタントプログラムを経験されました。

2学期間プログラムを経験された豊島さんの体験談はこちらです!

主な仕事内容は?

 
生徒たちのスピーキングの練習相手をしたり、授業中に巡回してヘルプするのが毎日の仕事でした。学校内には日本語を教えている先生が3人いるので、各先生の授業にアシスタントとして同行して授業に参加していました。

細かい文法を直したり、Google翻訳を使って訳されたナチュラルじゃない表現を自然な訳に修正する手助けもしました。

スピーキングの練習をする生徒の中に、日本語が飛び抜けて出来る生徒がいたので、その子とは定期的にスピーキングの練習を一緒にして、議論などをすることもありました。

基本的には先生から出されたトピックスで話しますが、ジェンダーや男女差別についてなど難しい題材を扱うこともありました。なるべく日本人の男性的な目線を伝えるようにしていました。

1時間目から授業がある場合は、大体朝8時半位から授業が始まります。場合によっては2時間目から参加することもあるのでその場合は、9時半からになります。

先生達が忙しい時は、小テストの採点や資料作りも手伝いました。

思い出に残っている授業はありますか?

 
一度先生からの提案で、先生の監督の元で30分枠の授業を一人でやってみる?と言われました。トピックは何でもいいとのことだったので、自分で考えて選びました。


自分の好きなアーティストの話をしたかったので、日本語Verと英語Verを作っているあるアーティスト(yoasobi)の曲を選び、日本の文化に触れながら文法を教えて同時に学ぶ授業をしました。

最初に用意したパワーポイントで今回紹介したい単語や文法を英語と日本語の意味を付け説明し、その後にみんなでYoutubeをみる流れにしました。エクササイズとしてその単語を使って例文を作る練習もしました。

今まで経験したことを活かしながら自分で授業を進めることが出来たのは、今後の自信にも繋がりました。

印象に残っていることはありますか?

 
学校内にいると生徒たちに声をかけらたりすることがよくあり、先生っていい仕事だなと思えました。

通常はみんなEita先生って呼ぶようにしてくれていましたが、時々呼び捨てにされることもあり(笑)それはオーストラリアらしいと思います。

授業前や授業がない時にも声をかけたり、呼びかけてくれたりと、生徒は本当にフレンドリーでした。

小さなイベントもたくさんあり、仮装してくる日や制服を改造して着て来てもいい日、Internatinal dayで自分の国籍背景に関連した服を着てくる日などもありました。

また、自然に触れるイベントなどもあり、勉強だけじゃなくてスポーツ、自然、環境、にも力をいれた教育を提供していることは子どもたちにとってもとてもいいことだな、と思いました。

日本とオーストラリアの教育の違いについて感じたこと

 
オーストラリアは第2言語習得に積極的な国だというのが一番の印象です。

日本だと英語は受験英語になりますが、オーストラリアでは興味があるからこそ、その言葉を話したいというところに繋がっている生徒がほとんどで、その結果、モチベーションも上がるし、みんな楽しんで勉強しているイメージがありました。


父兄から先生への感謝を示す日として、「World teacher's day」という世界的な日があるのですが、それにあわせて父兄から先生への感謝の場としてケータリングで先生がもてなされるようなイベントもありました。

先生がそうやって保護者や生徒から感謝されているということを感じる場があるのは、先生のモチベーションの維持にも繋がっていると感じました。

また、学校から先生に無料のケイタリングサービスが定期的にあったり、先生たちもリラックスできる環境が提供されているのも印象的でした。

日本は先生と生徒の距離が近く、タメ口で友達みたいに接することも多いですが、オーストラリアでは先生をリスペクトすることに重きを置かれていると感じました。そのような違いを感じられることも楽しかったです。

私が入った学校は7年生から12年生にしか日本語を教えていないので、小学校部門に行かせてもらって、中国語の授業を見学させてもらいました。

小さい子の授業では、特に褒めて伸ばす教育を行っていて、一回答えるだけでも先生が生徒をとても褒めます。また、褒められるとオンライン管理システムでポイントを稼げるようになっていました。

日本では褒めて伸ばすという文化がまだあまり浸透していないので、新鮮だったし、今後自分が教育に関わることがあれば、是非参考にしたいなと思いました。

また授業にもネットが積極的に使われているのも、日本とは全く違い、興味深かったです。

2学期間経験して感じたこと

 
私は語学学校に通学してからこのプログラムに参加しました。

語学学校では文法は中上級レベルでしたが、スピーキングが結構苦手だったので、プログラムに参加した時、生徒がなにを聞きたいのか理解できない時もあり、英語で苦労することもありました。

このプログラムに参加する時には、出来るだけスピーキングとリスニングが強い状態のほうがより楽しめると思います。

終わる頃に生徒から「英語がうまくなったね!」と言われたこともありました。自分ではあまり実感はないですが、ちょっとずつ英語力は伸びていたと思います。

今後は、教育教材を作ったり、塾を経営している企業での就職を考えています。まずは学校ではない違う角度から教育をみてみて、現場なのか提供している企業なのか自分にあっているものを探したいと思います。

参加希望者にメッセージ

 


私が参加した学校では、先生たちがフレキシブルで、やりたいことを自分から言えば、要望を聞いてくれました。やる気のある人にはほんとうにお薦めできるプログラムです!

自分がどういうことをしたいとか、興味があるということをどんどん伝えていくことが大事だと思いますし、話す機会が多いので、スピーキング力が高いほうがより楽しめると思います。