出発前・帰国後の公的機関手続き

留学する前及び帰国後の日本での公的手続きについて



オーストラリアにワーキングホリデーや留学をする=長期間日本を離れることになるため、住民税、健康保険、年金などの”役所関係”の手続きも行う必要があります。ここでは日本の大学在学中の方(休学留学など)や会社を退職して留学する方に関する情報をお伝えします。会社に籍を置いたまま留学する場合の手続きについては、会社の担当部署へご確認ください。

日本出発前の手続き(住民票)


【住民票の登録、外す?そのまま残す?】

オーストラリアに留学・ワーキングホリデー期間中、「住民票の登録をそのまま残す」「国外転出届を提出し住民票の登録を外す」いずれかの方法を選ぶことができます。下記はそれぞれの手続きの主なメリット・デメリットです。
メリット デメリット
住民票の登録を外す(国外転出届けを提出する)
  • 住民税(*1)や年金保険料(*2)などの支払が免除されるため、節約になる。
  • 一時帰国時に健康保険が使えない。
  • 海外でも適用される国民健康保険の被保険者資格がなくなる。
住民票の登録を残す
  • 一時帰国時や海外で適用される健康保険を利用できる。
  • 住民税、年金保険料、国民健康保険料などの費用負担がある。
*1…住民税免除の対象は課税年度の1月1日時点で住民票の登録がない、かつ1年以上海外に滞在する場合です。

*2…年金については「納付免除」「任意加入」のいずれかを選ぶことができます。「納付免除」はその期間の年金保険料支払を免除される代わりに将来の受給額が減るというデメリットがあります。

[親族の扶養に入っている場合]

特に日本の大学に在学中の方は親など親族の扶養家族になっていることが多いと思います。留学中も扶養家族の対象になり得ますが、要件は税務上、健康保険手続き上でそれぞれ異なります。留学中の手続きなどについては扶養される方の勤務先や各公的機関にご確認ください。扶養される方との関係においては同居が条件になる場合があるため、住民票の登録を外すか残すかについても確認の上、ご検討ください。

一般的には下記の書類が必要になります。
  1. 親族関係及び留学を証明する書類(戸籍附票、パスポート、在学証明書など)
  2. 扶養している旨の証明書類(生活費や学費など金融機関の送金関係書類やクレジットカード利用明細など)

【住民票の登録を外す(国外転出届けを提出する)場合】

手続きは出国の14日前から行うことができます。まずは住民票がある役所の住民課などで「国外転出届」を提出します。下記は主な必要書類ですが、事前に役所へ確認しておくとスムーズです。
  1. 本人確認書類(免許証、パスポートなど)
  2. 印鑑
  3. 委任状(手続きをする人が本人以外の場合)
  4. マイナンバーカード/マイナンバー通知カード(*3)
  5. 住民基本台帳カード
  6. 国民健康保険証
  7. 年金手帳
*3…マイナンバーカードは返却しますが、番号は一生変わりません。帰国した際、またオーストラリアで銀行口座を開設する際に必要になることがありますので、番号が書かれた用紙は必ず保管しておきましょう。

国民健康保険脱退の手続きも住民票の登録を外す手続きと同時に行われます。

住民票の手続きが終わると、年金について案内されるので、年金課などに行き、「納付免除」か「任意加入」いずれかの手続きを行います。「任意加入」を選択した場合は、住民票の登録を残す場合と同様、年金保険料の支払が必要になるので、自動引落や一括支払いなどの手続きをしておきましょう。

【住民票の登録を残す場合】

一人暮らしをしている場合は実家などに住民票を移すことができます。住民税、国民健康保険料、年金保険料などの支払が必要になるので、自動引落や一括支払いなどの手続きをしておきましょう。
公的機関の手続きではありませんが、銀行やクレジットカードなど留学中になんらかの書類や連絡を受ける可能性があるものについては住所を実家など連絡が取れる住所へ変更しておきましょう。特に留学中にクレジットカードの有効期限が切れる方は注意が必要です。

日本出発前の手続き(その他各種公的手続き)

【マイナンバー】

オーストラリア滞在中にオーストラリア現地銀行口座の開設にマイナンバーが必要です。
ワーキングホリデーや長期留学で現地で銀行口座の開設をお考えの方は、マイナンバーをお忘れなくご準備ください。
なお、マイナンバーの番号さえ判れば良いので、マイナンバーカードを持参頂く必要はありません。

【住民税】

会社を退職してオーストラリアへ渡航される場合、退職する時期によって住民税の納入方法が変わります。
5月から 12月までに退職する場合
翌年5月までの残額を退職時に一括納入するか、退職後に市区町村から送られてくる住民税納入通知書で支払います。
1月から4月に退職する場合
その年の5月までに前年度分の未納税額を、勤務先の会社が最終支給の給与から一括して徴収します。上記、納入方法に関しての詳細は、退職される勤務先から説明を受け、指示を仰いでください。

なお、住民税免除の対象は課税年度の1月1日時点で住民票の登録がない、かつ1年以上海外に滞在する場合です。

【国民年金】

住民票の登録を外す(国外転出届を提出した)場合、年金については「納付免除」「任意加入」のいずれかを選ぶことができます。「納付免除」はその期間の年金保険料支払を免除される代わりに将来の受給額が減るというデメリットがあります。「任意加入」の場合は、日本を離れている期間も年金保険料を支払う義務が発生します。

【社会保険と国民健康保険】

会社を退職すると、それまで加入していた社会保険を任意継続するか、国民健康保険に切り替えるかを選ばなければなりません。自分の社会保険費用と国民健康保険の料金などを比較して必要であれば国民健康保険に切りかえてください。また、社会保険の任意継続には勤続年数など条件がある場合がありますので、詳しくは勤務先の担当部署にご確認ください。

国民健康保険については、国外転出届けを市区役所に提出すると、自動的に脱退手続きが行われます。被保険者の資格を失うことにより、オーストラリアに行っている間は保険料を支払う必要がなくなります。なお、2001年より、国民健康保険が海外での診療受診にも適応されることになりましたが、資格を失えば、この適応の対象からも外されますので注意が必要です。

【確定申告】

退職時に源泉徴収票をもらって、市役所で所得税の確定申告をします。確定申告は通常1月~12月分を翌年の 2月から 3月に行いますが、この時期でなくても理由を言えば受け付けてもらえます。年末に退職された方は、通常勤務先が年度末調整をしてくれますので、勤務先にご確認ください。

帰国後の手続き


【住民票の登録を外した場合】

帰国後14日以内に住民票を戻す手続き(転入届)が必要です。管轄の役所へ行き、住民課などで住民票と国民健康保険、年金課などで年金関係の手続きします。主に必要な書類は下記のとおりですが、事前に役所へ確認しておくとスムーズです。
  1. パスポート
  2. 年金手帳または基礎年金番号が確認できるもの
  3. マイナンバーが確認できるもの
  4. 印鑑(本人以外が手続きに行く場合)

【住民票の登録を残した場合】

特にする手続きはありません。
現在、帰国する際、入国する空港によっては自動化ゲートを利用するためパスポートにスタンプが押されません。ただし、出入国の証明が必要な場合、パスポートにスタンプがないと、書類の取り寄せに時間がかかります(出入国在留管理庁に開示請求をすることができます)。自動化ゲートを抜けたところにスタンプを押してくれるブースがあるので念の為そちらでスタンプを貰うことをお奨めします。
 

*この記事の情報は2022年2月16日現在のものです。