2014年11月4日

留学とキャリア~最新人材市場動向と留学~

留学をご自身のキャリアにつなげるためには、どうすればよいでしょうか?

留学をする動機は様々ですが、その1つの理由に「キャリア」があります。学生でしたら、ご自身の就職につなげるため、社会人でしたらキャリアアップやキャリアチェンジにつなげるため、留学を志す人も多くいます。

留学はなんとなくキャリアに役立ちそう、といったイメージはありますが、具体的にキャリアにつながる留学にするには、どうすればよいのでしょうか。

今回、人材のプロである森ゼミ花岡健太氏に、最新の人材市場動向と、留学を通してのキャリア形成の方法について、お話を伺いました。
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新卒採用動向を教えて下さい

来年度の新卒採用の後ろ倒しや、東京オリンピックによる景気回復を見据えた人材確保のため、今年に限って言えば、サービス業を中心に売り手市場となっています。そして、例年に比べ、学生の内定が早い段階で決まっています。売り手市場、内定も出やすい、ということもあり、新卒学生さんご自身、また、大学のキャリアセンター自体も、少し安心をしているように感じます。ただ、今年多く採用をした反動が、先々出てくるかもしれません。

中小企業に関して申しますと、採用の時期をどうするかが悩みどころとなっています。2016年卒の学生さんは、8月から面接が始まるいわゆる「就活の後ろ倒し」と呼ばれる環境となります(2015年卒の学生さんの面接は4月スタートだった)。その時に大企業の動きは2つあります。1つは、インターンシップ等で、早目早目に、採用したい学生の目星をつけていくところ。もう1つは、予定通り8月まで待つところです。

中小企業が、インターンシップを実施して、学生の目星をつけていたとしても、最終的には採りたいと思っていた学生さんが、大企業に流れてしまい、辞退率が上がってしまう可能性があります。一方で、8月まで待っていると、面接に来る学生さんの数が減り、更に半年という短い期間で採用活動を行わなくてはならなくなります。

このように中小企業は来年の採用活動について非常にジレンマに陥っています。

Super Opening Live 2011
by Dick Thomas Johnson

転職市場動向につて教えて下さい

転職市場は、若手の離職率が高いことが問題となっています。

転職したいと考えている人が、転職先で継続して働けるのか、といったことが注目されており、すぐに会社を辞めている人は敬遠されます。

企業としても、3月末までに採用しきれなかった企業が、転職者向けに募集をかけていることもあります。また、新卒で入社しても、すぐに辞めてしまう人もいるため、その分の補充の募集をするケースもあります。

そのため、新卒の補充として、転職者向けに求人を出すことがあります。

転職市場は、採用しきれなかった人材、そして、すぐに辞めてしまった人の補填といった意味での募集が多く、継続して働ける人が好まれます。


どのようにキャリア形成を考えていけばよいでしょうか?

学生と接する中で、目的意識や目標設定が足りないと感じることが多くあります。目標となっているものと、夢との境目がうまくついていません。

例えば、将来マスコミ業界に入りたい、という学生がいたとします。そこで「では、マスコミ業界に入るために何をしているの?」と聞くと、漠然と思い描いているだけで、行動が伴っていないことがあります。「こういうことをしたい」「こういう風になりたい」と目指したい方向があれば、何か行動に移してほしいと思います。

最初は、本来は手段であることが目的化していてもよいでしょう。

例えば、「オーストラリア留学をしたい」は、手段であって、目的ではありません。オーストラリア留学をして、何をしたいかが目的となります。でも、最初は、オーストラリア留学をしたい、という目的を持って何か行動を起こします。もちろん、それがずっと目的のままですと、オーストラリア留学行ってから何もなくなってしまいます。色々な経験を積む中で、目的の設定ができればよいでしょう。

キャリアに関しても同じで、いきなり「キャリア形成しなさい」と言われてもできるわけがありません。

目の前にあることを、1つ1つしっかりとクリアしていくことが重要です。

オーストラリア留学へ行く。
では、留学へ行ったら何をするか。
大学生活でインターンシップをする。
では、インターンシップで何をしたいか。

日々の生活の中で、その練習になることはたくさんあります。

実際に、がちがちに「こうしなければならない」とするよりも、行動してみて、偶然が重なり次の道が見えてくることも多いです。なんとなくやってみたことが、次の目的設定につながっていくことも多いです。全ての選択は、必然にやってきたわけではなく、偶然から生まれてくることもあるので、日々目的設定の練習をして、キャリア形成につなげて頂ければと思います。

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留学をする方にどのようなことが求められますか?

先ほどの話と関連するのですが、何をするにしても、目的設定を持ってできればキャリアにつながりやすいと言えます。留学ももちろん同様で、そして、留学生活を送りながら、進捗を確認していけるとさらによいでしょう。

まずは、留学へ行く、という行動を起こしてみる。ただ、留学をしている間に、物事に慣れてしまい、最初に「留学しよう」と思った気持ちが消えてしまうことがよくあります。

そうならないためには、アンテナを張り続けることが大切です。そして、たくさんの偶然をキャッチして、キャリアにつなげて頂きたいと思います。

将来を決めていく際に、『偶然』の要素は大きく影響します。例えば、なぜその大学で学んでいるのか、あるいは学んでいたのか。日本を除く194ヵ国の中で、なぜオーストラリアに留学したのか。キャリアを考える際にも、偶然から見つかることがたくさんあります。

でも、実際にアンテナを張り続けることは難しいです。アンテナを張り続けるには、ほんのささいなことでもいいので、1日に1個、何か新しいことを見つけることを意識して下さい。そして、その発見を、書きためていき、誰かに話す、伝える、そういったことを続けてみて下さい。ブログでの発信や、日記をつけてみてもよいかもしれません。

例えば、私も電車の中吊り広告から、「これはいいな」とか「なるほど」といったキャッチコピーを見つけています。道を歩いていて看板に書かれている言葉にぐっとくる惹きつけられることもあれば、雑誌や新聞等から、名セリフを見つけることもあります。

常に何か新しい発見を意識していると、あなたのアンテナが上手く偶然をキャッチできるようになります。


花岡氏からのメッセージ

留学にこれから行こうとしている人は、今の気持ちを忘れずに、すでに留学中の人は、留学に行こうとしていた気持ちを思い出してみて下さい。最初に留学をしよう、と思った気持ちを大切にして下さい。

そして、オーストラリアから帰国する時は、留学に行こうとしていた時のようなフレッシュな気持ちで帰ってきて下さい。

初心忘れるべからず、シンプルですが、とても重要なことだと思います。

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キャリアサポート

オーストラリア留学センターでは、森ゼミの協力し、1年以上の長期留学生(ワーキングホリデー含む)を対象に、帰国後の正社員就職のキャリアサポートを無料で行っています。

留学をキャリアにつなげたいとお考えの方は、こちらをご覧下さい。

花岡氏プロフィール

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東京大学大学院 農学生命科学研究科修士課程修了。
理系学部を中心に全国各地に出講。さらにはアジア人財の発掘のためにアジアへも進出、アジア人財と日本企業との架け橋となる。自身の営業経験を生かし、自分という商品をいかに相手に売り込むかという「営業就活」や、論理的に整理して伝える「ロジカルコミュニケーション」を伝えていく。時に熱く、時に冷静に、時に激しく、時に落ち着いた多様なアプローチで学生たちを支えていく。